なぜ「航海」が国際交流の方法になるのか──IYFR の視点


国際交流というと、多くの場合は会議、公式訪問、制度化されたプログラムが想像されます。
**IYFR(International Yachting Fellowship of Rotarians)**は、それとは異なり、
**「航海そのものを方法として用いる」**というアプローチを取っています。

この点こそが、IYFR の国際ネットワークを特徴づけています。

航海は「成果」ではなく「共有状況」

航海は、人を現実の共有状況に置きます。
風、潮流、航路、安全管理といった要素は、立場や肩書きに関係なく、

  • 明確な意思疎通

  • 相互の信頼

  • 変化への共同対応

を求めます。

その結果、上下関係は自然に薄まり、
役割は状況に応じて流動的に入れ替わります。

なぜ実践は対話よりも早く信頼を生むのか

一般的な国際交流は、まず対話があり、その後に共同作業が続きます。
IYFR はこの順序を反転させます。

先に一緒に航き、その中で互いを知る。

航海という実践を通じて、

  • 責任の共有

  • 相互依存

  • 環境からの即時フィードバック

が生まれ、言語や文化の違いを越えた共通基盤が形成されます。

FUN FUN Cup:協力を中心に据えた交流モデル

IYFR の活動でしばしば言及される FUN FUN Cup は、この方法論を象徴しています。

これは順位や成績を競うレースではなく、

  • 国籍を越えた混合クルー

  • 協力と支え合いを前提とした航海

  • 結果よりも友情を重視

する交流形式です。

たとえば、2025 年に東京で行われた台湾・フィリピン・日本の友好航海活動では、
参加者が意図的に混成チームとして編成され、自然な協力関係が生まれました。

制度ではなく「方法」としての航海

IYFR において、航海は競技でも、富の象徴でもありません。
それは、

  • 異文化理解を促し

  • 非公式なリーダーシップを育み

  • 継続的な人間関係を生む

中立的で実践的な方法として位置づけられています。

この「方法重視」の発想が、IYFR のネットワークを軽やかで柔軟なものにしています。

なぜこの方法が重要なのか

役割や肩書きではなく、共有された実践を軸にすると、

  • 関係性はより早く深まる

  • 誤解は行動を通じて解消される

  • 文化差は障害ではなく機能として働く

このため、IYFR において航海は付加要素ではなく、中核的な仕組みなのです。

IYFR 全体の構造や位置づけについては、本サイトの 旗艦解説ページ を参照してください。